ハラスメントの中には、モラルハラスメント(モラハラ)というモラルによる精神的な暴力とされるものがあります。介護業界はモラハラに悩まされやすい業界で、患者さんからモラハラを受けたり、上司や同僚から受けることもあります。仕事仲間から受けるかどうかは職場にもよりますが、いかにモラハラ対策をしていくかが介護業界で長く働き続けるポイントになるでしょう。また、難しいかもしれませんが、モラハラを受けている患者さんとの距離感を縮めることで、ハラスメントから逃れるという方法もあります。介護を受ける側からしても、今まで出来ていたことが出来なくなり、プライドを傷つけられた状態です。介護をされること自体が尊厳を傷つけられたと感じる人も少なくないので、あえて優しく接することでモラハラを食い止められる可能性もあるのです。
どうしてもモラハラがなくならない場合は、上司や企業に訴えることも時には有用です。受け入れてもらえるかは企業体質にもよりますが、何もしないでいるとどんどん精神を病みかねません。同じ悩みを共有している職場の同僚に相談してみるのも良い方法だと言われています。誰かに聞いてもらうだけで心は軽くなりますし、気持ちも前向きになるかもしれません。また、転職を見据えてスキルを磨くという方法もあります。介護業界は転職機会に恵まれているため、きちんと経験を積んで知識を身に着けていれば新しい職場に移動することは難しくありません。その場合は、いかに転職先が介護される側だけでなく介護職員にも気を配っているかに注目して選んでおく必要があるでしょう。